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2012年10月29日月曜日

ハンガー・ゲーム/アイアン・スカイ

10月に観た映画を駆け足で。

ハンガー・ゲーム」。チラシやパンフは「ハンガーゲーム」になっていて、中点がつかないんですが、どっちが正しいんでしょうか。ハリウッドの大作にしては、えらくその辺の品質管理が行き届いていない気がするんですが、配給もやる気が無かったんですかね。この内容じゃ。

アメリカではヒットしているし、監督が「カラー・オブ・ハート」「シービスケット」の人なので、そうそう外れではないだろうと思って行ったのだけれど、これはヒドい。「バトル・ロワイヤル」は観ていないので、パクリ云々については分かりませんが、「生き残り1名の殺し合いルール」で徒党を組んで見張りを立てずにみんなで寝るとか有り得んだろ。遺伝子操作毒蜂とか魔法の軟膏やら、小道具もご都合主義だし、ルールの変更にいたっては、いしいひさいちの四コマ漫画を思い出してしまった。まぁ、ドナルド・サザーランドが大統領をやる国なので、これくらいは朝飯前か。

映画そのものよりも、この作品がなぜアメリカでこんなにヒットしたのか考える方が面白い気がしますが、それをする気もちょっと起きないです。

アイアン・スカイ」。「ナチスが月から反撃」というアイデアは絵的には面白いと思うけれど、戦後から70年近く経つと、いくらなんでもストーリーとしては苦しいですね。YouTubeによく貼られている「総統閣下はお怒りのようです」のギャグが海外発祥だということが分かったのがこの映画最大の収穫かな。

例によって…という感じでペイリン似のアメリカ大統領の描写をもって、この作品を「アメリカの対テロ政策批判」と持ち上げる向きもあるようですが、そういう意図はゼロではないにしても、当事国のドイツやEU、イスラエルあたりを出さないあたり、消去法で相対化する「敵役」を決めたという感じがしないでもないです。北朝鮮と同様、ネタとして案外安全な存在なのかもしれません。「アメリカはいいの」には笑っちゃいましたが。

その辺の政治的配慮といい、資金調達といい、小回り利かせて世界的な商売になる映画を作ってしまうのは、さすが教育水準世界一のフィンランド、といったところでしょうか。プリクェルと続編も製作決定ということですから、トリロジーDVD-BOX売りまくりかな。儲けた金で違った分野にもチャレンジしていただきたいものです。

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