おことわり

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2012年12月28日金曜日

センチメンタル・アドベンチャー/目撃者

今年もシアターN渋谷はじめ、いくつかの映画館の閉館(予定も含む)がニュースになったのだけれど、シネパトスは東京で映画を観ていた頃は洋ピン専門館だったはずで縁がありませんでした。

浅草中映も、浅草という街自体が池袋発の私鉄沿線に住んでいた自分にはアクセスしづらく、東京クラブやキャピタルといったところも含めて行かずじまいでした。「ぴあ」に載っているラインナップで、時々「こんなのフィルムが残ってるんだ…」という古い作品が三本立に挟まっていて、気になることはあったのですが、あちこちに名画座があったあの時代、通学定期からいくら交通費を乗せるかが大きな問題で、行き先は池袋や高田馬場、新宿あたりに偏る訳です。

センチメンタル・アドベンチャー」が東京ではロードショーがなく、地方の二本立の「添えもの」だったのは有名で、自分は池袋文芸座の「イーストウッド大会」で「ブロンコ・ビリー」と一緒に観た記憶があります。

そんな上映経緯のせいか、通常のチラシが存在せず、あるのはホール上映か、この画像のような館ニュース。これは浅草キャピタルのものですから、本来は「名画座のラインナップ」なのですが、通常版が無いために珍重されています。このチラシには曜日表示が無く、年代特定が難しいのですが、封切(KINENOTEでは1983年4月26日)より前の日付で、「ザ・ドロッパーズ」(1983年10月公開)がありますので、1984年以降のものと考えられます。

※偽造品防止のため、コントラスト等修正しています。
面白いのがこのチラシの裏面が、同じくまともに公開されていない「目撃者」だというところ。この辺、映画館の意欲がうかがえて、好感が持てますね。

「目撃者」は未公開チラシとして紹介された記事を見かけた記憶があり、ネット上でのはっきりした公開データが見つからなかったのですが、キネ旬増刊「世界映画作品・記録全集」の1985年版に「1983年1月22日千葉市内」との記述がありますので、これも「センチ~」同様、地方の二本立の「添えもの」として上映されたのでしょう。

こちらは1枚もののチラシが存在しますが、FOXスクリーンフレンドで販売していましたので、その手のルートで流通しているものが大半なのではないでしょうか。実際に映画館で配られたかは、個人的にはちょっと疑問です。

ワーナーやFOXがこの手の地方向け二本立作品のきちんとしたチラシを作りはじめたのは85年以降なので、少しだけ時代が早すぎたわけで、「センチ~」の通常版がないのは、パンフレットがあるだけによけいに残念です。

2012年12月24日月曜日

合衆国最後の日/カリフォルニア・ドールズ

11月に観た映画(後編)。
「合衆国最後の日」と「カリフォルニア・ドールズ」を観に渋谷へ遠征。渋谷で映画を観るのは今世紀になって初めてかな(多分その前は「ワイルドバンチ」のディレクターズ・カット版)。贅沢だなと感じつつも、映画館で観る機会は自分にとって次があるとは思えないので、行っちゃいました。

ネットの情報を頼りにたどり着いたシアターN渋谷。あれ、この坂の雰囲気、覚えがあるな。ひょっとしてここは昔のユーロスペース?なにせユーロスペースで映画を観たのは学生時代に「ゆきゆきて、神軍」に行ったきり。あの時はまだスクリーンがひとつだったような。えぇっと、左に曲がると確か「チネアルテ」が…。あら、無い。ヤフオクで出しているのであるもんだと思っていたら、実店舗はとうに閉まっておられたようで、浦島太郎気分で館内へ。

まずはモーニング・ショーの「合衆国最後の日」。ミサイル人質のサスペンス映画で、今だったらTVシリーズのパイロット版の前半1時間でまとめさせられそうなお話ですが、それはそれ、キッチリした出演者とガッチリした演出で作られてます(←説明になってねぇな、おい)ので、面白く観ることができました。最近のこの種の作品の傾向である無理やりなドンデン返しや細かいカット割がないのが気持ち良く、それぞれの役回り、人間同士がぶつかり合うドラマがじっくり味わえるのがいいですね。特にチャールズ・ダーニングは、「スティング」や「狼たちの午後」くらいしか知らなかったので、ランカスターやウイドマークに囲まれての大統領役なんて存在感が無いんじゃないか…と観る前は勝手に思い込んでいたのですが、堂々たる演じっぷりで、いやぁ大変失礼いたしました。

坂を下りたファミマでファミチキとおにぎりをとりあえず腹に詰め込んで、二本目の「カリフォルニア・ドールズ」へ。

こちらは初公開の時に東劇で観たのですが、その時はまだ青臭い、頭でっかちな(今もそうか)学生クンでしたので、「あの巨匠アルドリッチの遺作で…」みたいな意識が先行して、必要以上に肩に力を入れて「鑑賞」していた記憶があります。

あれから幾星霜、ドールズ御一行さまに負けず劣らずの地方巡業のサラリーマン人生を送ることになった立場で再会したら、いやぁ面白い、何でこんなに面白いんだというくらい面白く、特にクライマックスの選手権の怒涛の展開はひたすら盛り上がりまくってしまい、まさかの半泣き状態に。

出費はかさんだけれど、やっぱり行ってよかったです。閉館は残念ですが、このような機会を与えてくださったシアターN渋谷さんに、すっかり遅くなってしまいましたが、感謝申し上げます。

2012年12月20日木曜日

終の信託/黄金を抱いて翔べ

今さらですが、11月に観た映画(前編)。

終の信託」。「それでもボクはやってない」に続いて、法制度の問題を取り上げていて、個人的には興味深かったのですが、原作(未読)に引きずられてかもしれませんが、前作より生硬な感じで、論点もちょっと教科書どおりかな、と。
それ以上に、主人公の行為にあまり同情できなかった、というか、ちょっと甘くないかな、と思ってしまったんですが。患者の家族に対しての事前の説明とか。「これじゃぁ被疑者にされるよな」と観客に感じさせるのはマズいのでは。

さすがに旦那が監督しているだけあって、草刈民代は大きなボロが出ない程度に役をこなしていますが、できれば他の俳優で観たかったかな。「Shall weダンス?」のメンツが揃わないと通らなかった企画かもしれませんが。原作とおりのタイトルにした点も含めて、プロデュース的にも中途半端な気がしました。

ただ、特定の政治色が薄い社会派作品は貴重なので、今後も頑張って欲しいところです。高知県警バイクの衝突事故とか誰かやってくれないか。

黄金を抱いて翔べ」。恥ずかしながら井筒監督は初見。観たかった作品はあったのですが、タイミングが合わず、されど借りに行くほどの興味もなく、といったところでして。

日頃の発言から、もう少し政治的な揶揄とかあるのかなとも思っていたのですが、そういったところはほとんどなく、割とストレートなつくり。車の転がし方とか金庫を開けるシーンはなかなかの迫力で、同じ邦画でもワイルド某など比較になりません。

でもなぁ。原作の発売が22年前というのは「犯罪映画」としてはあまりにツライところで、犯罪計画や銀行の防犯システムがどうみても現代で通用するものに思えません。

髙村薫は「マークスの山」しか読んでいませんが、登場人物を細かく描き込んでいく人だと思います。この映画の出演者たちの関係も原作では濃密なのでしょうが、映画の尺でそれを表すのは難しく、終盤で明かされる「オチ」ともいえる人間関係は、映画を観ただけでは、唐突・強引・ご都合の印象をぬぐえないし、主人公たちの「金塊」への拘りについての説得力も弱い。
鶴橋あたりを出すことなく、大阪のアジアな部分を描き出す手腕はさすがだし、出演者も総じて良かっただけに、もう少し脚色するか、いっそ過去の時代を舞台にして欲しかったです。

2012年12月12日水曜日

エデンの東(全洋労支援集会版)

すっかりご無沙汰しております。
12月に入って忘年会等のイベントが続いて週末は拘束されまくり、エントリーのアイデアは浮かんでも、調べる時間がなかったりという状況。せめて週に1、2本は書こうと思っているのですが、今月はちょっと難しそう。

それでも調べてわかったことがいくつかありますのでご紹介。
まず、以前のエントリーで触れたMGM日本支社の閉鎖時期ですが、映画年鑑によると1974年2月末のようです。本社からテレックスが送られて通告され、社員は立てこもって抵抗したそうです。

もうひとつ「オデッサ・ファイル」ですが、やはり映画年鑑に「74年12月公開予定が3月にずれ込み、思うような興収が挙がらなかった」旨の記事がありましたので、やはり12月から公開延期されたことは間違いないようです。
以前も触れた古澤利夫の著書に「合理化の季節」という章があり、この時期の労使問題が述べられているのですが、あらためて見直してみると、74年11月に「FOXとコロムビアの共同配給」という問題が持ち上がっています。ひょっとしてこの辺が影響しているんでしょうか。単に「エマニエル夫人」人気に便乗するために東宝が「エロスの詩」に切り替えただけかもしれませんが。

画像のチラシは翌75年の3月に全洋労がいくつかの支部(各配給会社の組合)の「反合(理化)闘争」を支援する集いの時のもので、当時の配給会社の社員の方の置かれた状況が垣間見えます。現在だったら、この種の集会にエリア・カザンの作品を使うのはいかがなものかという気もしますが、「エデンの東」の父子のように、最後は和解しよう、という思いがあったのかもしれません。

2012年12月2日日曜日

シェーン(70年代R)

70年代にリバイバルされたCIC配給バージョン
自分が持っていたのは73年版(丸の内松竹)でした。
東京に行く用のついでに上大岡に足を伸ばし、午前十時の映画祭、「シェーン」へ。

西部劇で好きな作品は「ワイルドバンチ」、音楽だったら「西部悪人伝」、なもので、この映画に抱いていた「詩情」や「感動」の世界を受け入れられるか、上映前は少々不安でした。

が、実際に観てみると、開拓者の独立精神に敬意を表した勧善懲悪アクションをベースにしていて、現代の作品と比べれば展開はのんびりとしているものの、話や登場人物の骨格、演出がしっかりしているからか、よくできた物語世界に入り込むことができました。さすが、名作といわれているだけあります。古さを感じる部分もあるけれど、自分の場合、映画館の暗闇の中に身をおくと、作られた時代の観客になった気分になることがあって、この作品はそれにうまく乗れた感じ。全部の作品がそうなるわけではないので、やはり「作り」がいいからなんでしょう。

で、自分の持っていた「詩情・感動」のイメージに影響していたもののひとつがこのチラシにも使われているシェーンと少年のデザインなのですが、調べてみると、他の国ではこのシーンを使ったポスターが見あたらないのですが、これって日本だけなんでしょうかねぇ。だとすれば、考えた担当者は凄いと思います。

1975.9.20(富士映画)
銀座東急、新宿東映パラスほか
75年の富士映画配給版のチラシによると、シェーンは53年、62年、70年、73年と4回(テレビ1回)封切られているとのことで、1970年の公開ではその年の興行成績の第8位になっています。「テレビ1回」は1974年4月に水曜ロードショー(NTV)が2時間枠に拡大した最初の作品で、Wikipediaによればこの時初めて水野晴郎が「いやぁ、映画って本当にいいもんですね~」といったそうですが、本当かな。それにしても「テレビ1回」と記されていることが当時のテレビと映画の関係をうかがわせます。21年目で初放映か。

CIC 配給版のチラシにはCICの名前が載っていません。CICは1970年7月に発足したのですが、シェーンの公開は9月12日なので、間に合わなかったのかもしれません。旧パラマウント・ユニヴァーサルからCICへの移行にあたって雇用問題も起きていたようですし。
悩ましいのが、73年2月24日にリバイバルされた時も同じものを使いまわしていること。これは気づきませんでした。さすがに配給会社もマズいと思ったのか、同じ使い回しでもこの年の7月にリバイバルされた「ボルサリーノ」の横版はCICマーク付きの修正をかけています。
東京館名の場合、東劇・上野日活オスカーなら70年版、丸の内松竹なら73年版ということになります。渋谷東急と新宿ピカデリーが両年とも公開しているのが難点ですが、前売券が70年は400円、73年が500円なので、判断材料はそこくらいかもしれません。

2012年11月23日金曜日

エクスペンダブルズ2/009 RE:CYBORG

どうも右側にあった「最近のコメント」欄が壊れてしまっているようで、削除しております。
ヴァンダムがタモリに見えてしまう。
エクスペンダブルズ2」。
「燃えよドラゴン」でブルース・リーが門弟に「考えるな。感じろ。」と指導するシーンがありましたが、冒頭の強引な戦闘シーンを観ながら、その台詞を思い出し、「この映画は考えて観たら負けだな」と、内心つぶやいた次第。消耗品軍団と名乗っているけれど、どう見ても消耗品なのは敵方の兵士たちです。

これだけのオールスターキャストになると、「船頭多くして…」になるところですが、戦闘シーンならぬ船頭シーンとでもいいましょうか、ひたすらスターの「見せ場」をつなぐことに徹していて、割り切りぶりが潔い。そのぶん話はロケ地から逆算して作ったんじゃないかという気がするほど適当。さらにドルフ・ラングレンのコメディリリーフを筆頭に、会話とかの演出はイマイチすべっている感じ。その辺で面白かったのはチャック・ノリスだけかな。

考えたら負けだと思っても、つい考えてしまったのが、「誰だよ、あの女」。何であんなに出番があるのか。マギーQかミシェル・ヨーを呼んだら、エージェントが勝手に連れて来た感じ。早々に退場したジェット・リーと何かからんでいるんですかね。

ともあれ脳のネジを緩めてひたすら「ドンパチボガーン」を楽しんだのですが、その後自宅で久々に「夕陽のガンマン」のDVDを観返したら、C・イーストウッドとL・V・クリーフの腕比べとか、バカバカしいのは同じでも、こっちの方が断然カッコよくて面白いわけで。次回はもう少しその辺(腕比べ・腕自慢)を工夫してもらいたいものです。野球のオールスターだって試合前にホームラン競争するんだし。

早帰り日に本当に早く帰宅できることになって、衝動的に「009 RE:CYBORG」へ。「サイボーグ009」は初期の「天使編」までを読んだ記憶しかないんですが、そんなことよりも漫画を読んで「女」を感じた最初のキャラクターが003、フランソワーズ・アルヌールだったもんで。ついつい。

フルCG、なんだそうですが、どうも各キャラクターの表情や動きがのっぺりしています。あまり技術的なことはわからないのですが、ちょっと魅力に欠けるように思いました。飛行シーンも戦闘機の方はなかなかいい感じなのに、人物がからむとどうも違和感。3Dだとまた違うのかもしれませんが。

お話の方ですが、遠い昔に読んだ原作のムードを思い起こさせる壮大な展開はいいし、9人のメンバーもそれなりに活躍するのも嬉しいのですが、それぞれが活躍しすぎて、広がりすぎた話とあいまって収拾がつかなくなっています。それとやはり「かつて活躍したゼロゼロメンバーが再結集する」という設定は、その「かつて」がどうしても遠すぎてしまうので、ムリがあるよなぁ。核爆発シーンも、日本映画なんだからもう少ししっかり描いて欲しいです。

003はバレエというよりエアロビをやってそうな感じに変更されてましたが、サービスシーンもあるし、結構活躍するので、まぁ満足。次回はもっと大胆なシーンを期待しますが、それじゃ親子連れが引いちゃうか。

2012年11月19日月曜日

お詫びと訂正、画像追加など

このタイトルを知った時はウーマンリブを
題材にしたコメディかなと思いましたが、
チラシを読むと、「欲に目がくらんだ親に
利用された娘の悲劇」という、いかにも
昭和30年代だなぁ、というお話のようです。
思いつきだけで書き続けている拙ブログですが、何だかんだでエントリーも百本目。
その記念すべき100回目が訂正というのも、なんというか、自分らしいです。

「電撃脱走 地獄のターゲット」のエントリーで、「…チック…チック…チック」が二番館では「白昼の大捜査線」と改題して公開された、と書いたのですが、「白昼の非常線」の間違いでした。データの再チェックを怠って書き飛ばしておりました。申し訳ありません。
※こちらに参考画像を添付しておきます(今月末まで)。

また、70年代の「卒業」のリバイバルですが、二番館でも上映されており、そのチラシを入手しましたので、まとめたページに画像を追加しております。

そのほか、検索でご訪問いただいている方が多いジャクリーヌ・ササール様のページにも1点追加、荒野の七人のエントリーにも71年リバイバル版の画像を追加しました。

本ブログはジョージ・ルーカスをリスペクトしておりますので、いったん書いたエントリーも訂正や情報・画像の追加をしていきます。変更点は随時お知らせしますので、その点はご了承願います。

「支柱があるから伸びていける」とTOHOシネマズも言っておりますが、ここまで続いたのは皆さまのご支援のお陰です。あらためて感謝申し上げます。

2012年11月14日水曜日

暗くなるまでこの恋を/大逆転

「ロードショー」のチラシ冊子のエントリーのコメント欄で話題になりましたので、「暗くなるまでこの恋を」について少々。
左が初公開時(2月)の二つ折り。右が拡大公開時(7月)の1枚もの。
キャッチ・コピーを加えたため、スタッフ・キャストの位置を変えています。

この作品は1970年2月26日に有楽座で公開されているのですが、当時の新聞を見ていますと、1月16日夕刊に「女王陛下の007」の新宿プラザ劇場公開広告の下部に「あなたはどちらをご覧になりたい?」との見出しで「生きる限りこの愛を」「暗闇のワルツ」の2つの作品から選ぶ投票を呼びかけています。

その後2月13日に「皆さまのご賢察の通り一本の作品でした。最終的にこの映画の題名は『暗くなるまでこの恋を』と決定しました。突然2月26日ロードショーです。」の告知が。投票〆切が1月19日ですから、タイトルが決まってから公開まで1ヶ月ちょいという強行軍。これだけのスタッフ・キャストの作品がどうしてこんな扱いになったのか判りませんが、この短さが四つ折りプレスを二つ折り2種のチラシに分割した原因かもしれません。
その他のバージョンも含めて、東京公開版をこちらでまとめてみました。

B5二つ折り。実は自分の持っているものは右端が手で破ったのでは
ないかというくらい汚く、プレスを悪用したまがいものかもしれません。
あらためて二つ折り版の裏面を並べてみて思い起こしたのが、同じ70年5月に公開された「大逆転」です。こちらもB5二つ折りのチラシが2種類出ているようですが、自分が持っている1種類は「暗く…」と同じようなつくりで、四つ折りプレスが存在する気がしてなりませんが、残念ながらその辺は未確認です。ただ、こちらの作品はもう片方(「秘蔵!洋画チラシ全集」に掲載)にもちゃんとユナイトマークが付いています。

この作品は丸の内松竹・東急レックスで公開されたのですが、その前の「としごろ」が8日間しか上映されていないところをみると、かなり急に公開が決まったのではないかと思われ、通常版らしきチラシも存在しません。この時期は大阪万博が真っ盛りだったので、映画興行は苦労続きだったのかも。

「大逆転」はできればもう1種類の方も手に入れて、裏面がどうなっているか確認したいのですが、ハードルは相当高そうなので、いったいいつになることやら。でも知りたいなぁ。

2012年11月10日土曜日

アルゴ/夢売るふたり

10月に観た映画の続き。
ティーザーぽいチラシで、一瞬マイケル・ムーアの
新作かと。これで客を呼ぶのは厳しいミッションか。
アルゴ」。冒頭のワーナーマークが懐かしく、イランの政情とアメリカとの関係を手際よくまとめた出だしも快調。実在の人物であるジョン・チェンバースの事務所に「怪奇!吸血人間スネーク」のポスターがドカーンと貼られているのも嬉しいです。

人質救出のために映画のロケハン隊を装うという、嘘みたいな実話の映画化で、いくらでも膨らませて演出できる題材ですが、地道にエピソードを積み上げていくのは前作「ザ・タウン」と同様で、この辺の手堅さ、リアリティ重視、俳優の芝居を優先した演出が評価されているんでしょうか、ベン・アフレックは。

と、観ている間は作り手の誠意を随所に感じて好感が持てたし、サスペンスの間の取り方がベタだったとはいえ、さほどの失速感もなかったけれど、いまひとつ心に残らなかったのは何故だろう。事件の全体像の紹介に終始して、主人公の人物像にあまり迫っていないからかな。いくつかのエピソードはあったにせよ、その程度の描写では最後の妻子との再会に感興は湧かないし。この辺、アフレックが「俺様映画」化するのを避けての配慮かもしれませんが。

と、思いつつも、大統領選挙の時節柄、最後のナレーションに「やはりこの映画の目的は『事件の紹介→米民主党の実績PR(人質救出と事件の情報公開)』かな」と感じるわけで、オバマのオの字も出ないにしろ、そこは正直白けます。

国を二分する「政治の季節」に双方の陣営がそれぞれの思惑であれこれ言い合うのは仕方ない話ではありますが、いくらなんでもこの作品を「今年最高」とか、ましてや「ポスト・イーストウッドはこの人」みたいに言うのはいい加減にせぇよ、と思います。日本のマスコミもその「祭」に乗ってどうするよ。空港の追っかけは「フェイスオフ」の序盤をちょっと思い出しましたが、そういえば「フェイスオフ」のDVDにデカデカと「今世紀最高の傑作」と書いてあって、思わずショップの店頭で「シェーッ」のポーズをしそうになったなぁ。褒めるにしても言葉を選んでほしいです。

夢売るふたり」。
西川作品は「ゆれる」に続いて二本目ですが、どうも話を練ることより「人間の本性」を描くのが好きな方みたいで。自己紹介に「趣味:マンウォッチング」と書くような女性に似た感じがするのは俺だけか。

で、今回はさまざまな女性の生態をウォッチングしておりますが、まぁ、長いわ。ひとりくらい端折ても問題なかったのでは。犯罪コメディ仕立てにしているのでしょうが、「ゆれる」が一見ミステリー仕立てにしていてもそれに徹していなかったのと同様、相変わらずスタイルだけだし。物語の暗転の演出手法はちょっと許せない。

それにしても松たか子ですが、夫に結婚詐欺をさせる女はラーメン屋や魚河岸で働かないと思うんだけど。いい子過ぎ。阿部サダヲ(好演)とのからみシーンをせずにオナニーやナプキン交換するのも何だかねぇ。喜ぶのは実話系週刊誌だけだと思うんですが。

移動撮影とかにいいシーンがあるし、出演者も好演、「人間の本性」が好きな方には楽しめるのかもしれませんが、こちとら現実でお腹いっぱいなので、今後もこういった路線ならもういいかな。

2012年11月3日土曜日

ウエスタン/大砂塵の男

1969.10.31 新宿プラザ劇場の開館第1弾作品です。
リンクいただいておりますmamiyaさんのブログFROMにて、前々回の「水野晴郎・選 決定版!!チラシBESTセレクション1000」のエントリーをご紹介いただきました。ありがとうございます。

そちらのエントリーでは往時の「少年マガジン」のチラシ特集の扉も紹介されているのですが、ここまでまとめて見たのは初めてで、嬉しいの何の。興味のある方はぜひご訪問いただければと思います。

1973.5.12 上野東急・池袋東急と、CICスプラッシュ系
にしては珍しくST系。同時上映は「プロフェッショナル」
さて、本日は個人的には新発見だったことをば。

ネットオークションで「ウエスタン」の正方形版が出品されているので、「決闘シーンの構図のデザインって海外も同じなのかな」とポスターの画像をいろいろ検索していると、日本版のこんなポスターを発見。最近死亡のニュースが話題になった「おい、小池!」ではないけれど、どうもチャールズ・ブロンソンの人相に見覚えが。これは「大砂塵の男」ではないか。

くだんのポスターにはCICマークがあり、75年のリバイバルでしたが、さらに調べると初公開時のポスターにもそれらしき図柄が。「チラシ大全集」にも掲載されているタイアップ版チラシ(未所有)にも使われていました。どうやらイタリア版のポスターの図柄を書き直した感じです。それにしてもこの初公開のポスター、上のチラシにある2つの図柄を組み合わせていてカッコいいのですが、監督は怒りそうだな。

allcinemaにもあるように、「大砂塵の男」はテレビ番組「バージニアン」のエピソードをつなげた代物で、製作年度が1968年ですから、ちょうど「ウエスタン」と同時期だったようです。テレビ作品なのでいいブロンソンの図案が無かったのかな。
公開された1973年は「バラキ」や「メカニック」等々、ブロンソン人気はまだまだ健在だったはずですが、スプラッシュに留まったのは、トレードマークのヒゲがない作品だったからでしょうか。テレビで「う~ん、マンダム」が流れ続けていましたし。そう考えると、以前紹介した「荒野の七人」のリバイバルにヒゲを書き足していたのも判る気がします。
1975.5.24 銀座東急ほか

それにしても同じCIC配給とはいえ、片やパラマウント、片やユニバーサルだったわけで、大胆なことをするものです。

大胆なのは図柄だけではなく、キャッチコピーもそうでして、
大砂塵」が
”ぎらつく太陽にブロンソンがよみがえる!豪快!荒野火を吹くアクション大作”
なのに対し、「ウエスタン」(リバイバル時)は
大砂塵舞う荒野の音がするとき静寂は去りライフルが火を吹く決闘大西部!”
になっています。

いやぁ、判ってやっていますね、これは。

ひょっとするとブロンソンのマニアの方や映画宣材コレクターでは有名なネタなのかもしれませんが、自分はようやく気づきましたので、とりあえず報告する次第です。

2012年11月1日木曜日

大いなる西部(66R)

当時全盛期だったC・ヘストンの名前が先に。
1966.5.14 東劇、新宿ピカデリー、渋谷東急
(1週遅れて浅草大勝館)。館名部分に広告が
入っているバージョンもあるようです。広げてB4
サイズ(「チラシ大全集」は折った上半分を掲載)
午前十時の映画祭」の落穂拾いで県外へ。

自分の中で「これだけは映画館で観るまで我慢しよう」と思っている作品がいくつかあって、「大いなる西部」がその一本。今回、ジェローム・モロスの名曲をバックにしたソウル・バスタイトルデザインや有名なグレゴリー・ペックとチャールトン・ヘストンが殴りあうシーンを大画面で観て、「生きててよかった…」という幸福感に浸ってしまいました。単純だなぁ。この調子で「グラン・プリ」や「ライアンの娘」あたりも何とかお願いしたいものです。

このチラシの裏でも双葉十三郎が「遠景」の見事な用法について触れているけれど、「映画館で観られることしか考えていない映画」の凄味を堪能しました。近年の大作もロングショットは多いけれど、CGを塗ったくっているせいか、細密すぎ・ピント合いすぎで逆に広大感が無いように思えてしまうのが不思議だし、ある意味悲しいですね。

内容の方ですが、グレゴリー・ペック演じる主人公の思考・行動を見ていると、久々に「非武装中立」という言葉を思い出してしまいました。決闘で死んだ父親の銃を婚約者の父親にプレゼントするあたり、第二次大戦後の反省から「戦争放棄」を打ち出した日本と重ねてしまうわけで、初公開当時、アメリカより日本で大ヒットしたのも何となく判る気がします。

主演の二人や女優陣もいいけれど、脇を固める「時代遅れ」な両家のボスに惹かれてしまうのは「ワイルドバンチ」が好きな自分らしいなぁ、と考えつつ、家路を急いだのでありました。

2012年10月29日月曜日

ハンガー・ゲーム/アイアン・スカイ

10月に観た映画を駆け足で。

ハンガー・ゲーム」。チラシやパンフは「ハンガーゲーム」になっていて、中点がつかないんですが、どっちが正しいんでしょうか。ハリウッドの大作にしては、えらくその辺の品質管理が行き届いていない気がするんですが、配給もやる気が無かったんですかね。この内容じゃ。

アメリカではヒットしているし、監督が「カラー・オブ・ハート」「シービスケット」の人なので、そうそう外れではないだろうと思って行ったのだけれど、これはヒドい。「バトル・ロワイヤル」は観ていないので、パクリ云々については分かりませんが、「生き残り1名の殺し合いルール」で徒党を組んで見張りを立てずにみんなで寝るとか有り得んだろ。遺伝子操作毒蜂とか魔法の軟膏やら、小道具もご都合主義だし、ルールの変更にいたっては、いしいひさいちの四コマ漫画を思い出してしまった。まぁ、ドナルド・サザーランドが大統領をやる国なので、これくらいは朝飯前か。

映画そのものよりも、この作品がなぜアメリカでこんなにヒットしたのか考える方が面白い気がしますが、それをする気もちょっと起きないです。

アイアン・スカイ」。「ナチスが月から反撃」というアイデアは絵的には面白いと思うけれど、戦後から70年近く経つと、いくらなんでもストーリーとしては苦しいですね。YouTubeによく貼られている「総統閣下はお怒りのようです」のギャグが海外発祥だということが分かったのがこの映画最大の収穫かな。

例によって…という感じでペイリン似のアメリカ大統領の描写をもって、この作品を「アメリカの対テロ政策批判」と持ち上げる向きもあるようですが、そういう意図はゼロではないにしても、当事国のドイツやEU、イスラエルあたりを出さないあたり、消去法で相対化する「敵役」を決めたという感じがしないでもないです。北朝鮮と同様、ネタとして案外安全な存在なのかもしれません。「アメリカはいいの」には笑っちゃいましたが。

その辺の政治的配慮といい、資金調達といい、小回り利かせて世界的な商売になる映画を作ってしまうのは、さすが教育水準世界一のフィンランド、といったところでしょうか。プリクェルと続編も製作決定ということですから、トリロジーDVD-BOX売りまくりかな。儲けた金で違った分野にもチャレンジしていただきたいものです。

2012年10月27日土曜日

水野晴郎・選 決定版!!チラシBESTセレクション1000 

この表紙、憧れました。巻末の広告にあった
「アメリカ映画大全集」は今でも欲しい。
オデッサ・ファイル」がトラウマになってしまったのも、そもそもはこの「ロードショー」1979年5月号の付録がきっかけかもしれません。

一部モノクロもあるものの、全70ページにわたって1000点のチラシを掲載するという、雑誌の付録としてはかなり凝ったつくりで、当時のブームの凄さがうかがえます。自分もこれを読みながら「ここに載っているチラシをいつか全部集めるのだ!」と夢みたものですが、九割方はかなったものの、そこから先は修羅の道ですな。

「チラシ大全集」はともかくとして、雑誌としては「スクリーン」より「ロードショー」の方がチラシの紹介は充実していたというのが当時の実感で、年末発売の2月号に掲載される1年間のチラシ回顧も、「スクリーン」は主要どころを簡潔にまとめていただけなのに対して、「ロードショー」はチラシの出た公開作品は全部載せようと、意欲的だったと思います。ある時期までは吉田真由美が全作品にコメントしていて、感心した記憶があります。
この「サテリコン」も集英社版の本でよく
見かけますが、B5四つ折のプレスです。

ただ、その熱心さが逆に働いてか、例えば、93年度には「心臓が凍る瞬間」や「ブラックピューマ」といったチラシが出ていない作品のプレスシートを掲載してしまったりということもあったりします。

その辺の編集方針(?)が微妙に影響しているのかもしれませんが、この「BEST1000」にもチラシではないものや未だに正体不明なものが掲載されています。

その筆頭に挙げられるのが、有名な「ザ・ディープ」の全青版(と呼べばいいんでしょうか)で、集英社系のチラシ本でしか見たことがありません。2ちゃんねるでは「四国で出た」とか書かれていましたが、実際のところどうなんでしょうか。ただ、あらためてネットで見られる各種宣材の画像と比較してみると、ポスターと図柄が一致しますし、「映倫」とおぼしきマークも同じ箇所にあるんですね。このあたり、「チラシ大全集」の「スタンド・バイ・ミー」(これもコロムビア!)と同じで、いったいどうなっているのやら。「この真相は”有料メルマガ”で!」なんていわれたら速攻で購読してしまいそうだ…
「初恋」のジャケット見開き(”BEST1000”では右側のみ)。
これもショップ等で見かけた記憶がないのですが、配布されて
いたのでしょうか。ちなみにこの品はヤフオクで入手したので
すが、サントラのシングル盤のジャケット多数と一緒に出品され
ていたので、レコード痕はないものの、素性は自信ないです。

他にも「サテリコン」の黄色版(これはプレスと判明)や「初恋」のジャケット版、「オデッサ・ファイル」の丸の内東宝館名版…と、いくつか頭を悩ませる品があり、自分にとっては発行されて30有余年が経過した今もなお、好奇心をくすぐられます。「三つ子の魂百まで」ということなんでしょうかねぇ。我ながら、いやはやなんとも。

いずれにせよ、自分にとってはチラシのチェックリスト、ウォントリストの第1号となった冊子でして、思い出深い代物でもあります。

それにしても「ザ・ディープ」の全青、本当にあるなら出てきて欲しいものです。

2012年10月23日火曜日

オデッサ・ファイル

オーパーツ」などと、洒落のめしつつも、真面目に悩んでいるのが1枚ありまして。

 これまたコロムビア映画なのですが、「オデッサ・ファイル」。1975年3月1日に丸の内・新宿ピカデリーで公開されているのですが、一部のチラシ本に「お正月ロードショー 丸の内東宝」と刷られているものが載っています。

おいおい。系列が違うじゃん。
今でこそ、シネコン全盛のお陰で系列に関する感覚が鈍ってしまいましたが、ピカデリーは松竹・東急系、丸の内東宝は東宝系と、興行の系列、縄張りが分かれているので、「ビリティス」が有楽座から日比谷スカラ座に、という話とはちょっと違います。「L.A.コンフィデンシャル」みたいに配給が変わった(WB→ヘラルド)のならともかく。

最近たまたま「丸の内東宝」版を入手したのですが、裏が薄い紺色で、ピカデリー版(黒)と違っています。

この時期のコロムビア映画は会社のマークがよく変わっていて、74年までは頭文字のCをデザインしたもの、75年だけは50周年のせいか、自由の女神を使ったもの、76年以降は太陽が昇ったような(?)マークになっています。「オデッサ」だけCマーク(東京では11月にリバイバルされた「ローマ帝国の滅亡」にCマークバージョンがなぜか存在するようですが)なところをみると、公開が正月からずれたんだろうという予測は立つものの、系列まで超えちゃうかなぁと思ってしまいます。というか、丸の内東宝版に「前売大好評」とかあるんですけど、大丈夫だったのか。

本作の劇場変更に関する情報、あるいは「心配ご無用、これは再版品」といった情報をお持ちの方、ぜひコメントをお寄せくださいませ。これはホント昔から不思議に思っています。

※H24.12.12追記 映画年鑑に74年12月から翌年3月に延期された旨の記述がありました。延期や系列を変更した理由は引き続きナゾです。

2012年10月21日日曜日

鍵泥棒のメソッド/桐島、部活やめるってよ

珍しく邦画を続けて2本。

内田けんじ監督の映画は脚本がよくできていて面白い、というのをあちこちで読んでいたので、今回ようやく「鍵泥棒のメソッド」へ。

話は二転三転、伏線も結構回収していくし、登場人物のキャラもそれなりに立っていて、まぁハッピーエンド、とほどほどには楽しめたのですが、どうも自分の中で違和感が残ってしまったのはなぜなんだろう。あまり「『映画』を観た」という満足感がしないんですよね。できのいい深夜ドラマか小演劇を見た、という感じで。それが撮影のせいなのか、演出のせいかは分からないのだけれど(というか単なるこっちの偏見なのかもしれませんが)。例えば、香川照之が堺雅人に「演技指導」するシーンも、地上波の若手漫才師のコントか小劇団の中継をテレビで観ている感じで、今ひとつ映画にのめり込む魅力が全体的に薄かったように思いました。

ほかの観客は観たあと楽しそうに話し合っているし、少なくとも昨年観た、久しぶりにスクリーンに石を投げたくなった「幽霊裁判コメディ」とは比較にならないほど上なので、野暮なことは言わない方がいいのかな。

一方の「桐島、部活やめるってよ」。尻上がりに評判が高まっているようですが、これは面白かったです。

学内格差、みたいな解説がされているようですが、カースト(上下関係)というより、その昔宮台真司が書いていた「教室の島宇宙化」的な、小集団がバラバラで互いに無関心、といった感覚のほうが近いかも。差別というより区別。一応の主人公(神木隆之介)は「桐島の退部」そのものに興味ないし。

自分は男子校だったので、共学の雰囲気など知るわけもないですが、ここで描かれている「小集団内の微妙な緊張関係」はおそらく誰しもが経験する「日本的な人間関係の縮図」で、その辺のリアリティが共感を呼んでいるのでしょう。桐島の退部をきっかけに『仲良し』女子4人組が些細な表情・会話から崩壊していくシーンとか圧巻。映画館での前田のうろたえ方とかも他人事ではないし。

映画部の新作の題材が、原作と変えたうえで、「スーパーエイト」の主人公たちのそれと被るのが「現代の映画」として引っかかるんですが、あれだからこそ、クライマックスはアレな訳でして。それが内輪受け=日本映画界の限界を示していないかと懸念する気持も無きにしもあらずなのですが、これも野暮なことは(以下略)。その辺を抜きにしても、ストーリーの時間軸の構成等、いろいろ手応え・見応えのある作品でありました。

2012年10月15日月曜日

ダーティ・メリー クレイジー・ラリー(のタイム・リープ)

フューリーのエントリーで、渡辺屋さんよりお手元の「スパイクス・ギャング」の劇場が日劇文化になっているとのコメントをいただき、調べてみたところ、劇場、前売料金、上映時間が「バルカン超特急」(1976.11.20公開)とピタリと一致。IP映画もからんでいたとは知らなんだ。渡辺屋さん、いつも情報提供ありがとうございます。

で、人を呪わば穴二つ、ってところでしょうか。1974~1976年頃公開された作品のチラシをあらためてチェックしてみると、手持ちの「ダーティ・メリー クレイジー・ラリー」が何とその「スパイクス・ギャング」の告知(5月24日テアトル銀座)が刷り込まれていました。もう無茶苦茶でござりまするがな。

この際、ということで「フューリー」系以外で、上映館や公開時期、前売料金が実際のものと異なるものをこちらにまとめてみました。捨ててしまったものもあり、まだまだこれ以外にあるはずですが、とりあえず確証の高いものだけ。

ちなみにこの種のチラシ=FOXスクリーンフレンド、と考える方もいるかもしれませんが、自分が入手したのは今はない他の店のパック商品で、似たような「再版」商品は都内に何店か取り扱っていました。ま、「ニセモノ」といえなくもないのですが、原版を使っている以上、映画会社も半ば公認していたと思われるわけで、今でも映画館で売られている過去の作品のポスターのような、『映画ファン向けグッズ』と捉えるのが正確かも知れません。

渡辺屋さん所有の「スパイクス・
ギャング」の日劇文化バージョン
トンデモ系の用語で、考古学上、時代が全くあわない物品を「オーパーツ」というそうですが、そう思って所有しておくのも、また一興なのかも。

繰り返しになりますが、この種のものは今でもネット・オークションやショップに紛れ込んでいますので、「当時品」を追求する方は注意が必要ですが、さほどプレミアがついている訳ではないので、年代の判定や責任を売り手に求めるのはその価格からいっても酷だと思います。

東宝の資料室はじめ、いくつかの映画館の上映歴はネットでも調べられますので、あくまでも自己責任で確認するのが楽しみもあっていいのではないでしょうか。

自分自身、ほかにも気になる作品がいくつかあるのですが、それはまた稿を改めてということで。

2012年10月7日日曜日

ボブ&キャロル&テッド&アリス

館名なし(1970..3.14に丸の内松竹ほかで公開)
サイケの時代とはいえ、同年代のチラシと比較して
もずい分ポップなデザインで、古さを感じません。
前回のエントリーのちょっと下品なオチは、この作品への前フリでして。

以前1975年のコロムビア映画ラインナップチラシを話題にした時に「他の年代はないかも」と書きましたが、セット的に配られたかは不明なものの、フォームに統一感があるチラシが1970年頃のコロムビア作品にあります。

A4の単色、下部にタイトル、「このシートはファイルなさるようにお推めします」という文言とコロムビア映画宣伝部が記されています。主に試写会で配布されたもののようですが、「サボテンの花」や「砂漠の冒険」等、映画館名が加刷されたものもあり、劇場に置かれたケースもあったかもしれません。

手持ちはこの程度で、全貌は自分もつかめていませんが、ほかに「イージー・ライダー」(1970.1.24公開)と「としごろ」(1970.5.15公開)をヤフオクで目撃しています。「野にかける白い馬のように」(1969.7.19公開)は似たつくりですが、上記の特徴(ファイルのお推めと宣伝部)がありません。チラシ本でしっかり紹介されているのは「サボテンの花」と「ボブ&…」が「秘蔵!洋画チラシ全集」で取り上げられているのみですが、近代映画社の「チラシ大全集」の70年代編の1970年の扉(明日に向って撃て!)の右側に「イージー・ライダー」が、チラッと映っています。

この時期(70年上期)のコロムビア作品は「宇宙からの脱出」や「鏡の国の戦争」あたりがあるのですが、他にもあるんでしょうか。例によってではありますが、ご存知の方がいらっしゃいましたらご一報願います。

2012年10月6日土曜日

プロメテウス/トータル・リコール

9月も結局観たのは「最強のふたり」とこの2本。何だか夏休みの宿題を遅れてこなした感じ。
プロメテウス」は世間一般には「エイリアン」の前日譚というより、「人類の起源」をめぐるミステリーって感じで売っていますが、どうなんだろう。リドリー・スコットとしては、まずは本作で手堅く「エイリアン」の舞台を借りて興行的な実績を作り、続編からもっとオリジナリティを追求しようって戦略なんでしょうか。

脚本の穴やシャーリーズ・セロンの扱い、ガイ・ピアースが老けメイクだけなのを見ると、企画の迷走を感じずにいられません。銀河系の変遷を表現したホログラムとか、3Dで見ときゃよかったかな、という見せ場もところどころあるし、主役の二人もいいんですが。

最後、大空に飛び立つ宇宙船に、その昔「少年ジャンプ」の10週打ち切り作品の最後のページによくあった、「俺たちの冒険はこれからだぜ!」みたいなネームを重ね合わせてしまいました。

それにしてもプリクエルばやりですな。「シャイニング」まで企画されているそうで、そのうち「時計じかけのオレンジ」のアレックス君がグレるまでとか「フルメタル・ジャケット」のハートマン軍曹の戦場体験とかやるのかね。やりかねんな。

トータル・リコール」、こっちはリメイク。バーホーベン版は歌舞伎町にあった新宿アカデミーのオールナイトで観たなぁ。

そういや当時のチラシには「ハリウッド10大シナリオ」とかPRしていましたが、これも東和のハッタリだったんでしょうかね。「風と共に去りぬ」と並べているのがなんともです。

フィリップKディックの原作は読んでいませんが、オリジナルと比べると、ほかの映画化作品「ブレードランナー」や「マイノリティ・リポート」に近い雰囲気。SWのストーム・トルーパーみたいな警官やBTTFみたいな空中ハイウェイと、80年代テイストもちらほら。

とはいえ、コリン・ファレルが立てこもった部屋に警察が突入する時の道具のセンス・描写が、たとえ上の方でおちょくってても、「プロメテウス」の”子犬ちゃん”(だったっけか)に遠く及ばないのを筆頭に、全体的に安っぽいし、大味。「ダメっぽいな」と思って行ったら、やっぱりダメだった、という感じ。

ケイト・ベッキンセイルも旦那をよく支えていますね。いっそのこと、同じくシリーズもので生計を立ててるミラ・ジョヴォヴィッチ夫婦と「アンダーワールド」&「バイオハザード」のスワップ企画でもやったらいいんじゃないかしらん。「レン&セリーン&ポール&アリス」とかいって。

2012年9月30日日曜日

サウンド・オブ・ミュージック(その2)

先日のエントリーで「サウンド・オブ・ミュージック」のリバイバル版(レコード番号付き)について情報を募集しましたところ、チョコさんより早速情報提供いただきました。いつも本当にありがとうございます。

なんと、1976年10月10日にNET(現在のテレビ朝日)の日曜洋画劇場で放映された時のチラシのようです。なぜテレビ放映のチラシが流通しているのかまではちょっと分かりませんが、やはりショップ経由なんでしょうね。もし、このテレビ放映版をお持ちの方で、どこで入手したかご記憶の方がいらっしゃいましたら、ぜひコメントかご連絡をお願いいたします。

偶然ですが、時を同じくしてヤフオクでこの作品の細かいバリエーションを出品されている方がいらっしゃって、そこにもこれと同じチラシが含まれていました。

その出品で知ったのですが、1978年4月1日~14日にスバル座で上映された際もチラシが出ているようです(こちらの75年12月のTY系上映と同じ、70㎜なし・裏青バージョン)。おそらくその前に上映した同じFOXのアニメ作品「アンとアンディの大冒険」が2週間で打ち切りになったためのピンチヒッターだと思われます。やはり出ていたか…

さすが名作、人気作品だけあって、いろいろと上映されていますね。76年秋にレコード番号付きバージョンが配られているのであれば、チラシは出ていないのでは…とした、76年12月のテアトル銀座・新宿武蔵野館の緊急上映時に配布された可能性も捨てきれなくなりますね。とはいえ78年4月版は元に戻っているわけで。う~ん、奥が深いです。

さて、今回もお助けいただきましたチョコさんより、この度ブログ「映画チラシと共に」を開設したとの連絡をいただきましたので、リンクを貼らせていただきました。すっかり70年代に逃避している小生と違い、現役バリバリ(この表現も古いな)のコレクターですので、今後の展開を楽しみにしております。

チョコさん、これからもよろしくお願いいたします!

2012年9月22日土曜日

フューリー(の念写)

キャッチコピーが「サスペリア」の後追いですね。
チラシブーム全盛の70年代後半から80年代半ばにかけて、 以前紹介した「サウンド・オブ・ミュージック」のような”館名が実際の公開時期と合わないチラシ”が一部のショップを通じて市場に流入していきました。 

この時代、いくつかのショップでチラシの原版を再度印刷したものを販売していたのですが、公開日・館名の告知欄が空白になっていると商品の魅力が弱いので、別の作品のそれを加刷するということが行われていました。子供だましの方法なのですが、それこそお客さんが子供だったので、やってしまったんでしょうね。

自分も当時、某ショップでまとめ売りのパック商品を買ったところ、違う作品なのに同じ館名・公開日のチラシをいくつも発見し、勉強させていただきました。勉強、というか、怒りのあまりあとで本物(公開当時のもの)を入手するたびに破り捨てていたのですが、そのうち、「これはこれで往時をしのぶ品として取っておくか」という仏の心境(←バカ)になり、若干ではありますが、現在でも所有しています。

そんな再版・加刷(と思しき)チラシの中で、非常に分かりやすい例が「フューリー」を使ったものです。
他にもまだあったように記憶していますが、現在手持ちにあるものをこちらでまとめてみました。

フューリー」は1978年9月公開。千代田劇場は東宝邦画系のチェーンマスターなのですが、この時期あたりから東宝の邦画系でも日比谷の映画館だけ洋画系の劇場を使うことが増えてきました。ちなみにこの時期の東宝邦画系作品は「火の鳥」や「聖職の碑」で、有楽座で上映しています。そのあおりで千代田劇場は「フューリー」をかけたと(似たような例が1981年8月の「ラスト・レター」)。

それにしても、あらためて並べてみますと、笑ってしまいますね。「悪魔の追跡」や「エミリアンヌ」ならともかく、「うず潮」や「恋愛日記」まで”衝撃のロードショー”だもの。

今でもこの手の品を時々ヤフオクで見かけることがありますが、知識のない出品者側に責任を求めるのは酷というもの。プレミア品と違って真正品も安く手に入るので、もし、ここを見て「あちゃー」と思った方(ほとんどいないと思いますが)も、どうか大人の態度でリカバリーしていただければと思います。自分もただの素人ですので、本エントリーを書いたこと以上の責任は負えませんので、その点はご諒解願います。


2012年9月13日木曜日

最強のふたり

休み明けから仕事のドタバタと夏バテで、すっかりぐったり。結局8月に観た映画は「おおかみこどもの雨と雪」だけになってしまった。

これはイカンと、疲れた身体にムチ打って、やっとこさ出かけたのが「最強のふたり」。フランスでは歴代№2のヒット作なんだそうで、じゃあ1位は何なのかと調べたら、都会人の田舎暮らしを題材にしたコメディで、日本では未公開。まだまだこういうことってあるんですね。

東京国際映画祭グランプリとはいうものの、おフランスな芸術性がある訳ではなく、むしろフランスのコメディ映画らしい泥臭さが身上、て感じの作品。ちょっとアブないギャグも混ぜつつも、オーソドックスな人生賛歌。

介護の仕事をしている人から見たら、その種の描写が表面的で物足りないかもしれないし、身障者側からのカメラ目線とかもあってもいいかな、とかケチをつけ出せばいろいろありそうなのですが、チラシにもある主役ふたりの笑顔が気持いいので、とりあえずいいか、という感じ。疲れた身体には笑顔がいちばんです。

(客の入りが)「2割、3割は当たり前♪」みたいなこちらのシネコンのレイトとしては、珍しく6割くらい入っていて、それなりに観客の反応もいいと、何だかそれだけでも嬉しくなってしまいます。フランスの満員の映画館で観たらもっと楽しめるんだろうなぁ。
作品の出来云々より、みんなで観るという映画体験の魅力の片鱗を久々に感じたひとときでした。

2012年9月9日日曜日

アラビアのロレンス(70年代リバイバル)

「宇宙からの脱出」(1970.4.11公開)の裏面。
「近日・当劇場で大公開」とありますが、実際に
公開されたのは翌年2月になってからです。
前回のエントリーで、テアトル銀座は70㎜上映館ではないと書きましたが、長年のパートナーである新宿武蔵野館は70㎜上映館だったので、チラシの記載が不正確なケースが無いわけではなく、例えば「ラ・マンチャの男」のリバイバル(1974年4月)も初公開時(有楽座)の流用でそのまま70㎜表示がされています。

とはいえ、その辺をしっかり分けて表示しているチラシも一方であり、その代表格が「アラビアのロレンス」です。

この作品はそれこそ何度もリバイバルされているのですが、70年代に5年連続(!)リバイバルされた際は基本的に同じものを使いまわしています。普通なら年代の区別がしにくくなるものなのですが、このチラシは上映方法の表記でしっかり分けることができます。こちらにまとめてみました。

シネラマ、D-150、70㎜と、大画面による上映方法のロゴが並んでいるのが懐かしいですね。

先日、TOHOシネマズに行ったら、いつのまにか「バック・トゥ・ザ・シアター」なる企画が始まっていて、第2弾として「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を3日間だけ上映するようです。「テレビサイズじゃ、物足りないでしょ!?」というキャッチコピーが掲げてありましたが、この時代の作品はすでにビデオ化が前提だったりするので、やっぱり「ロレンス」あたりのテレビサイズを全く考慮していない作品をもっと映画館で観られたらありがたいんですけれどね。

サウンド・オブ・ミュージック(の怪談)

怪談ってほどではないのだけれど、正体不明のチラシがありまして。

「ジャンル別」「五十音順」「年代別」…チラシの整理方法は皆さんそれぞれかと思います。
自分の場合は70年代以降は年代順、リバイバルものと60年代以前は入手順、という感じなのですが、そうするきっかけになったのは、集英社が1980年に発行した「チラシの本」というのがありまして、これが70年代のチラシを各年別に並べていて、非常に整理しやすかったからでした。スクリーンのチラシ大全集が出るまではこの本の年代別ページだけを切り取って保存してリファレンスにしていた次第。吉田真由美の(今思えばかなりフェミニズム寄りの)解説にも随分影響を受けたものです。

で、この本がリバイバルものについては巻末にまとめて掲載していたものだから、30年以上経った今でもリバイバルものだけ別ファイルに放り込んでいる状態。複数回リバイバルされると、どれがいつのものやら、分からなくなってしまってます。

以前「サウンド・オブ・ミュージック」のエントリーを書く際に、あちこちにあったこの作品のリバイバル版のチラシをまとめてみたのですが、その時にみつかったのがこの1枚。他のチラシとは違い、下部にサントラ盤のレコード番号が記載されています。

 裏面は75年にリバイバルされたものと同じ文面。75年ものには下部のサントラ告知はありません。80年のリバイバルは「〈オリジナル・サウンドトラック盤〉RCAレコードより発売中!」とあるものの、レコード番号はなし(裏面の文章も違います)。

テアトル銀座の館名があるので、1976年12月の公開時のもの、と考えられなくもないのですが、こちらにも書いたとおり、この時の公開はかなり緊急避難的な意味合いが強いので、チラシが出たかは甚だ疑問。ついでに書けばテアトル銀座は70㎜上映館じゃないですしね。

裏面の刷りが黒いところからみて、このチラシは当時よく出回ったショップ系の再版ものかなと思うのですが、それならそれで、「レコード番号のある本物」がどこかに存在しているはずではないかと。そしてそれは、いつの公開時なのか?

定番でありながら、顧みられることがあまりないチラシなので、難しいかもしれませんが、この辺りの情報がございましたら、ぜひご連絡願います。

※H24.9.30追記 チョコさんより情報をいただきましたので、こちらで紹介しております。
ちなみに「サウンド・オブ…」には怪しい品が他にもあり、例えば、80年代版(裏面左下広告が「少年と鮫」)の文面のバージョンで上記の館名が刷られているものがあります。前売券の値段が高い、という以前に上映時間(174分)がタイムスケジュールと合っていません。

2012年9月2日日曜日

グリーンマイル/ふたりだけの森

「アカデミー賞最有力!」との合わせ技
「崖っぷちの男」のタイアップチラシでふれた、つボイノリオの番組サイトでもネタとして使われているのが、「全米が泣いた!」のフレーズ。

では全米はいつから泣きはじめたのか。

ヤフー知恵袋同人用語の基礎知識等、今までもこの話題はとりあげてられているものの、諸説紛々という感じ。この疑問が解決しづらいのは、おそらくTVのCMや日本版の予告編から流行った言葉であり、検証するにも材料が乏しいからでしょうね。

とりあえず、チラシで検証するとどうなるか。幸い、チラシ大全集のように時系列でチラシを並べた本があり、表面だけという制限はあるものの、にらめっこすることしばし…

こちらでも触れられているグリーンマイル(2000年公開)やオールド・ルーキー(2003年公開)といった作品の「泣き」を煽る大量宣伝が、このフレーズがネットに流布した原因だと思いますが、「全米が泣いた!」がそのまま使われている例は見つかりません。やはり、予告編やCMの影響が大きいのでしょう。

「全米」という言葉自体はもちろん昔からある言葉なのですが、映画業界で頻繁に使われだしたのはCICがUIPに組織変更された80年代半ばからと思われます(これはまた、あらためて検証してみるつもり)。

さらにさかのぼってみると、ふたりだけの森(1977年公開)にこのコピーがメインではないものの、発見。裏面でも使われているところをみると、配給会社としてもお気に入りのフレーズだったよう。
ただ、当時の新聞広告を見ると、このフレーズは一切使われていないので、一般的に流布されたものではないと思われます。

ちなみに新聞広告は若手タレントのコメントで埋められているのですが、大見出しの夏目雅子(女優ではなくクッキーーフェイスのモデルとして)はさておき、他のメンツが清水健太郎、松本ちえこ、沖雅也というのが何とも…だったりします。

自分が調べた限り、とりあえずこれがいちばん古かったです。

左が初公開(1969年)、右がリバイバル(1973年)。
どちらも擬人化したフレーズになっています。

さすが東宝東和といったところでしょうが、さらにルーツをさかのぼると、同社のクリスマス・ツリー(1969年公開)で「世界が泣いた!」という表現が。

「全米が泣いた」が愛用(?)される原因は、全米が泣くという「擬人化」、あえて「○○中」の「中」を抜く大胆さの持つツッこみ感にあると思うのですが、その種の文法をつくったのは東和かな、というのが現段階の私見です。

あくまで私見であって推定の域を出ませんので、異論・反論・反証等がございましたら、ご意見をお寄せいただければ幸いです。

2012年8月26日日曜日

あるマラソンランナーの記録


夏休み中、実家で久々に日経新聞を読んでいたら、シネコンについての特集記事が載っていて、シネコンの飽和状態はやはり深刻な状況のよう。観客が減っているのに箱ばっかり作っててもなぁ。MOVIXのチラシ棚はすっかりアニメに占領されているし、ワーナーマイカルもレンタル事業を始めるようだし、「シネマ」度合は薄くなっていくばかり。まぁ、映画自体が動画コンテンツビジネスの一形態(あるいは一プロセス)になったと言えばそれまでなんでしょうが。

それはさておき、日経の最終面の「私の履歴書」をメキシコ五輪のマラソン銀メダリスト、君原健二氏が執筆されていて、「あるマラソンランナーの記録」に触れていました。

この作品は黒木和雄が監督した記録映画で、本作の製作時のトラブルから劇映画に移ったともいわれています。
トラブルといっても監督と製作会社の作品の方向性についての違いで生じたもので、君原本人には直接関係なかったようですが、「履歴書」を読むと、故障中の撮影だったこと、突然の製作決定で陸上部の監督がいい顔をしなかったこと等、あまりいい思い出ではなかったようです。

作品の評価は高いものの、もともとが企業PR用の記録映画であり、商業ベースで劇場公開されたわけではないので、チラシといってもどのような配布がされたのかは分かりませんが、当時はまだ無名(東京五輪前)の君原選手はまだしも、製作スタッフが記載されていないところにトラブルの根深さが垣間見えます。

せっかくの機会なので、当時の企業PR映画のチラシをこちらにアップしておきます。ある機関助士」は後年水俣病の記録映画で名をなす土本典昭のデビュー作、「小さな冒険旅行」は記録映画ではありませんが、原案:石原慎太郎、監督:大島渚という、今では想像つかない組合せの短編映画です。

ちなみにこれらのチラシはヤフオクで入手したのですが、この種のチラシは劇場公開作とは流出ルートが異なり、シネショップではあまり扱われないので、ネット時代ならではの入手という気もします。

2012年8月19日日曜日

ミッドナイト・エクスプレス(特集上映版)

すっかりご無沙汰してしまいました。
お陰様で盆と暮れだけはきっちり休めるので、ネット環境の無い田舎で伸びきっておりました。

休み中、3月同様トップページを「動的ビュー」というのにしたところ、1週間で1ヶ月分以上のページビューがあってびっくり。まぁ、いつも以上に海外からの怪しげなものが多いからなのでしょうが、ありがたいことです。今後ともよろしくお願いします。

ちなみに「ロボジー」がページビュー数を独走しているのですが、どうも画像検索で上位に来てしまっているのが原因のようです。映画の感想エントリーは単なる備忘録であり、「画像お裾分け」とかの意図はないので、事態の推移によっては画像を外すかもしれません。

休みで伸びきってしまってエントリーを書く気力がまだ湧かないのですが、帰省土産ということで、以前のエントリーで取り上げる予定でした「ミッドナイト・エクスプレス」の特集上映版を持ち帰ったのでアップします。

裏面はこちら。ということで、自由が丘武蔵野館のレイトショー特集でした。90年代初頭の時期、この劇場はあれこれ特集上映を組んでいますが、何でこれだけこんなデザインになったんですかね。担当者が好きだったのかな。作品は事実と違う、といった批判もありましたが、今ではトルコは普通に観光旅行先になっているもんなぁ。2020年五輪のライバルだし、時代は動いているな、とつくづく感じます。